2021 年 89 巻 1 号 p. I_93-I_102
ベントナイト混合土をため池堤体の遮水材料として用いるため,締固め条件がベントナイト混合土のせん断強度に与える影響を評価した.異なる乾燥密度と飽和度で作製した供試体を用い,圧密定体積一面せん断試験によって水浸した状態でのせん断強度を評価した結果,ベントナイト混合土のせん断強度は締固め時の飽和度の影響を大きく受けることが明らかとなった.この影響は乾燥密度が高いほど顕著であり,締固め時の飽和度が高くなるほど大きなせん断強度が得られた.そのため,ベントナイト混合土の転圧時には,その水分量を注意深く管理する必要性が生じる.しかしながら,より高いせん断強度を実現するための締固め条件は,遮水性の観点から従来採用されてきた含水比管理条件と類似したことから,ベントナイト混合土を転圧する際に用いるべき施工管理手法は,従来の手法を大きく変える必要はない.